今まで多くのプレゼントをあげたり、もらったりしてきましたが、
その中でも特に印象深いのは今の嫁さんと交際する前に彼女にプレゼントしたボールペンでしょうか。
あそこまで心の底から喜んでもらえたのは後にも先にもないのではないかと思います。
あれは、たしか彼女が大学院で博士課程を無事に修了するということと、留学先のデンマークから帰国するという二つのお祝いを兼ねて、ささやかなお祝いの場を作ったのです。私たちはその時で既に5年来の友人でしたので、久々に会うのだしその前にいろいろと話をしよう、ということになったのです。そこでサプライズプレゼントをして喜ばせよう、と考えて、私はない頭を捻りました。
メールでのやり取りで、彼女は今後は研究職として働いていくつもりであることは知っていましたので、ペンがいいだろうと考えました。しかし、ここで悩んだのが万年筆にするか高級ポールペンにするかでした。確かに万年筆は良いものですし、贈り物には最適です。しかし、デイリーに使うものかというとちょっと違う気がしますし、何よりどこにでも気軽に持って行けるものではないので研究職という職業では使いづらかろう、と思ったのです。そして悩みに悩んだ末、パーカーのボールペンに決めたのです。
そして当日、カフェで一緒に茶を飲みながら色々話しているとき、そのプレゼントをあげたときの、彼女の喜びようは半端なかったです。本当に頭を悩ませて考えたのがわかったから、というのもあったようですが、それ以上にボールペンを選んでくれたというのがうれしかったようです。というのも、彼女は父親の恩師の方から進学祝に万年筆をもらっており、勿体無くてつかえないからなのだ、と言っていたのです。それだけに、ボールペンを選んでくれたお陰で常に使うことが出来るから、本当に嬉しい、といってくれたのです。いや、本当にこちらも嬉しかったです。プレゼントをしてここまで喜んでくれたことはなかったですから。これがきっかけになったのか、お互いに意識するようになり、それから3年後に結婚しました。サプライズプレゼントが橋渡ししてくれた縁になりましたが、今でもいい思い出です。