私が27歳の誕生日を迎えた時のことです。
2月が誕生日なのですが、当時遠距離で付き合っていた彼と、お互い休みを取り、誕生日の前日から過ごすことができました。
それだけでも十分嬉しかったのですが、日付が変わる前に彼から、ある箱を渡されました。
その中には時計が入っていて、欲しかった腕時計が入っていました。
「わー!ありがとう。大事に使うね!」とお礼を言うと彼は
「その箱、大事にとっておいてね。僕がいうまで捨てちゃダメだよ」と言いました。
箱…?と思いましたが「うん、分かった」とその場で答えました。
それから一月も経たなかった3/13の夜のことでした。
その年のホワイトデーはお互い仕事で会うことができず、「逢いたかったね」と電話で話していました。
ふと、彼から「そういえば誕生日にプレゼントした時計の箱、まだ持ってる?」と尋ねられました。
私は「うん」と答え、
彼が「手元に持ってきて」、というので言われるまま、時計の箱を引き出しから取り出しました。
と、不意に彼が「今何時?」といきなり聞いてきたので
「もうすぐ日付変わるよ?」と答えると
「時計のクッションの下に白いウレタンの緩衝材があると思うんだけど、日付が変わったらそれをとってみて!」というのです。
そして、何が起きるのかドキドキしながら、0時を迎えました。
「開けるね」と告げてから、彼が指摘した白い緩衝材を退けると…
中に小さなピンクの布の袋が入っていました。
「この袋、開けていい?」と聞いて中を開けると、ハートのチャームが付いたピアスが梱包されて入っていました。
そして、小さく折りたたまれた紙も入っていました。
ピアスが入っていただけでももう嬉しくてドキドキしていましたが
「この紙なあに?」と言いながら紙を開くと、そこには
「HAPPY WHITEDAY!」と彼の字で書いてありました。
そう、仕事でなかなか会えないのがわかっていた彼は、誕生日プレゼントの箱の底に、ホワイトデーのプレゼントを忍ばせていたのです。
彼の友人が宝飾店で働いていて、その友人の協力のもとでのサプライズプレゼントだったそうです。
今までもらったプレゼントの中で、一番びっくりして、一番嬉しかったプレゼントでした。今でも大切に使っています。